サイケデリックなトランペットを吹く、近藤等則というミュージシャンをご存知でしょうか。


彼が1993年よりはじめたプロジェクト「地球を吹く」。世界中の聖地でトランペットの即興演奏をするのですが、記念すべき初回録音はイスラエル南部のネゲヴ砂漠で行われました。その後アンデス(ペルー)、ヒマラヤ(ラダック)、マッキンレー(アラスカ)、久高島(沖縄)でも演奏が行われテレビなどで放映されました。イスラエル編は1994年度のATP賞ノンフィクション部門優秀賞を受賞しています。


 


 イスラエル国土の7割は砂漠。ネゲヴ砂漠は総面積が国土の半分以上にあたる13,000㎢、イスラエル南部の大部分を占めます。少し前の先月9月のことになりますが、日本から友だちがイスラエルに遊びにきてくれたので、近藤氏がプロジェクトの最初の舞台に選んだネゲヴ砂漠へ旅行しました。宿泊したのはミツペラモンという街。砂漠へ注ぐ日光を遮る小さな影すらない、圧倒的に何もないむき出しの自然。
























いつもなら暑くて苦手な時期ですが友だちがきてくれたことで、いっしょに旅行に行ったりパーティに出かけたり飲みに行ったり楽しく乗り切ることができました。酷暑の中トイレもなければ水道もない砂漠の真ん中の野外パーティで踊ったこともとてもいい思い出です。











広大な砂漠を目の前にして友だちが「地球を感じるよね」と言ったとき、ああ、近藤氏もきっと自然への畏怖を、荒々しさの中の美を、そして悠久を感じ、この場所を選んだのだろうと納得しました。出エジプト後、ユダヤ人はこの砂漠地帯を抜けるのに40年かかったとされます。「モーゼの案内が悪かったからだ」なんて冗談を聞くこともありますが、実際にその荒涼たる大地を見渡し「これは・・・迷える・・・40年・・・」としみじみしました。

この地域は紀元前3〜2世紀頃、香の交易で栄えました。ペトラ、ガザ、エイラートなどとネゲヴの都市群を結ぶルートはインセンス・ロード(香の道)と呼ばれ、そうした交易を偲ばせる遺跡や道、文化的背景は「ネゲヴ砂漠の香の道と都市群交易路」として世界遺産登録されています。


そういえば香の道クエストの最中、友人が遺跡を見て「ここ(FFの)チョコボで走ったことある〜」
別の日本人の友人は「ゲームで、ちょうどイスラエルのある辺りにある国で買い物するときは必ず値切らないといけないんですよ」

ゲームの題材になってしまうくらい、ここアジアの果ては自然も文化も全然違う異世界ってことですね!
イスラエル人から見ると、日本は「未来の別の惑星」なんだそうだけども・・・。




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日本に渡航経験のあるイスラエル人の友人曰く

「日本の夏は、お湯の中を歩いているみたいだ」

とは実に言い得て妙。

嗚呼、日本の夏はイスラエルより暑かった。


東京出張&帰省を終え、昨日早朝に約2週間ぶりにテルアビブに戻って参りました。日本にお住まいの方はまさかとお思いでしょうが、同じ気温なら湿度の高い方が暑く感じます。お肌には良くないかもしれませんが、イスラエルの湿度が低い夏に慣れてしまっていたようで、数年ぶりの日本の夏に徹底的にやられました。それでなくとも短い2週間の日本訪問で、そのうち3日を仕事、4日を体調不良で寝込んで過ごしたため、自分でも驚くほどあっという間に帰国の途に着くこととなりました。

今回の日本訪問、前半は出張でしたので上司随行。アジアどころかヨーロッパを出るのも初めての「俺を日本でひとりにするなよ、おまえと離れたら10分で死ぬ」とのたまう役立たずなオランダ人上司を引き連れて、すでに離れて10年も経つ殺人的な気温湿度の街で、プライベートでも仕事でも飲みまくり(普段イスラエルではほとんどお酒は飲みません)。そりゃ体壊すわ!楽しすぎてついはしゃいでしまいました。

上司も楽しんだようで、間違いなく人生最高の旅であったと力説(すでに出張だったことはキレイサッパリ忘れている模様)。いっしょに銀ブラしながら「日本人はみんな小さくて可愛いし素晴らしく礼儀正しい。食べ物は全てが夢のように美味しかった。街は世界で一番オーガナイズされている。おまえはこの国を離れて旦那のためにイスラエルに来たのか?考えられないよ!」と絶賛。旦那とまったく同じこと言ってるよなあ・・・と可笑しくなりましたが来年以降も必ず出張でこようぜ!との約束にブチ上がり!


やったー!また(会社持ちで)帰省できるぅ〜!


なお今回の教訓を生かし、次回からは春か秋に訪れることにしようと思います・・・。


東京では久々のメンバーと楽しい夜を過ごしました。
会いにきてくれたみんな、本当にありがとう!大感謝です!







さて今回の帰省は出発前からトラブルの連続でした。最初に大韓航空でチケットを予約したものの、先月テルアビブの空港近くにミサイルが着弾したことを受け、大韓航空は7月中の全てのテルアビブ発着フライトをキャンセルすると発表しました。そこからトルコ航空に変更、更にそのフライトも欠便となり、最終的には「何があっても運休しません」と最初から宣言していたイスラエルのエルアル航空に変更。なんと、チケットが決まったのは出発2日前でした。

日本出発時点では帰りのフライトはキャンセルされていなかったものの、この調子だとキャンセルになるだろうなあと思っていたら案の定。そして変更後のフライトはなんと、香港で8時間以上の乗り換え時間があるもの。

キー!ひどい!!とはじめは不運を呪いましたが、そういや最後に香港へ訪れたのは1997年、中国返還前のこと。香港はどこに行くのにも交通網も発達している便利且つコンパクトな街。こうなったらその間弾丸香港ツアーでもしちゃえ!と行ってきました。雨の予報でしたが曇りで、さして暑くもなく久々の香港を満喫しました。


羽田ー香港はJAL便利用でしたが、なんとビジネスクラスにアップグレードされました。ラッキー!
羽田国際空港内のJALサクララウンジが無料利用でき、のんびりとおいしい朝食+生ビールをいただきました。



香港空港から香港駅までのチケット。静かで快適なMRTです。



香港駅の中央バスステーションからバスで約40分。ビクトリアピーク(太平山)、標高554mの夜景の名所です。生憎の曇りでしたが、海まで見渡せる景色に満足でした。



ピークにある100年超の歴史を誇るレストラン「ザ・ピーク・ルックアウト」にて青島ビールをのんびりといただきました。この後、下山のバスの運転が乱暴で吐きそうになり、コーヒーにしとけば良かったと後悔。



香港空港に戻ってからは、メンバーシップを持っているプレミアムラウンジ(メンバーは世界中の空港ラウンジが無料利用可能)で食事&休憩。空港内で高いお金を払ったレストランよりはるかに美味しい食事が無料提供されました・・・。シャワーも浴びれるしwifi完備だし最高です。30〜35ドル程度で一般の方も利用できます。空港内で食事をしてビールを飲んだらもうそのくらいの値段になりますよね。是非メンバーでなくとも利用されることをおススメします!



香港は17年ぶりの訪問ということになりますが、久々の香港は前回に比べ街が汚れ、英語スピーカーが減り、お洒落な人もいなくなり「中国化したなあ」というのが率直な感想でした。かつては「東洋の真珠」と称され、誰もが恋に落ちずにいられない、清濁併せ持つ魅力溢れた都市だった。中国返還後、本土から中国人が流入してこうなってしまったのでしょうね。とても残念に思いました。


そして、テルアビブに着いたとたんに空港内で目にしたこの看板。



ちょうど今回の戦争が始まり2週間ほど経ったところで日本へ向かいましたが、今回ほどイスラエルに早く戻りたいと思った旅はありませんでした。

ミサイルは降ってくるし、相変わらず文明的な国というにはほど遠い。戦争中の国なのに本気なの?と言われそうですが、私の家族と大切な仲間がそこに居て、イスラエルが世界中から誤解を受けている状況を共に戦っています。そして今私が強くシンパシーを感じるのは勿論、生活の拠点を置く場所に他なりません。

日本滞在中、今回の戦争についての報道を見てあまりの偏向報道にひっくり返りました。そして東京ではアンチイスラエルのデモが行われているというニュースも。

しかし、それが本当に日本人が今しなくてはいけないことなのですか?

原発関連ニュースについて、偏向報道が行われていることは納得し「マスゴミ」などと毒づいている方も、アンチイスラエルの報道になると急に鵜呑みにしてしまうのはなぜなのですか?

世界はユダヤ企業に操られているというようなファンタジーを信じ、あなたの生活を何も変えはしないデモに参加するよりも、電力利権に支配され、あんな大きな事故が起きたあとも原発を推進し、血税が投入されている祖国の現状にこそ異を唱えるべきなのではないですか?

イスラエルに住む人間は戦争ボケしています。現在の戦況を、地上戦が終わったからミサイルが飛んでくる日常に戻るだけだと笑っているほどに。

そして愛する祖国日本の民はあまりに平和ボケしている。それは、危機的なまでに。

今一度、この大変な時代の一員として生きている意味を良く考えてみてほしいと思わずにはいられませんでした。



ところで私は三姉妹の長女なのですが、今月よりすぐ下の妹が旦那さんの転勤でロンドン生活をはじめました。一番下の妹は東京暮らし。還暦すぎの母を実家に一人残して、皆それぞれバラバラに暮らしている状況は胸が痛いです。幸いうちは旦那が日本移住を希望してくれているので、数年以内に帰国を予定していますがそれもまだ決定事項ではありません。

しかし母はなんだかこの状況を楽しんでいるようで、ロンドンとイスラエル訪問にも強い意欲を見せてくれています。冗談で上司が妹を気に入って弟に紹介したいらしい、という話を母にしたら、

「長女はイスラエル、次女はロンドンで三女はオランダ?!素敵〜!いいじゃな〜い!」

だそうで!

さすが、母は強し!!



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日常生活を続けながら、空襲警報が鳴ればシェルターへ駆け込む。
そんな日々も、もう今日で12日目です。


イスラエルは7月8日から、イスラエル南部のガザ地区に本拠地を置くイスラム原理主義組織の過激派ハマスと戦争をしていることは皆さんニュースで見てご存知でしょう。
日本の家族や仲間からは安全を心配する声と、イスラエル側が悪魔のような攻撃をしているというニュスが流れているということで二重の心配をかけている状態です。まず、戦況も長引き疲れてはきていますが、私とイスラエルの家族は無事です。

テルアビブに住みはじめてからいままでの間、テルアビブに着弾するような事態は2度目となり、1度目は一昨年2012年の年末でした。その頃ガザ地区から飛ばされるミサイルは性能があまり良くないことで知られており、テルアビブへの着弾は狙われたというよりも、うっかり数発、出来の良いミサイルが到着してしまった、という感じでした。

しかし、今回は別です。ハマスは大量に武器をゲットしたらしくかなりの強気で、先日は夜9時にテルアビブに向けて沢山ミサイルを撃ち込む、と宣言してからの攻撃。我が家から至近距離で撃ち落とされ、不気味な爆発音と地響きが伝わってきました。

こちらは回戦9日目の朝、出勤間際に自宅にいたとき聞いたサイレンと爆撃音です。窓から撃墜されたミサイルなどは見えませんでしたが、音声だけでも聞いてみてください。




今回の戦争の多くの犠牲に心を痛めております。私たちもこのような状況下ですでに10日を超える生活、疲労がたまってきており、また市民が苛ついているのも感じます。
そんな中で、日本語で書かれたこの戦争に関する記事があまりにもパレスチナ偏向のものが多く、事実と違うことを日本国民が信じて、アンチ・イスラエルのデモまであったというニュースを見て悲しくなりました。戦争は事実ですが、伝えられている現実はまったく違う。少し、今回の戦争について説明します。


今回の戦争はそもそも、国境近くのエリアでイスラエル人の10代の学生が3人誘拐・殺害されたことからはじまりました。先に攻撃を仕掛けてきたのも、ハマス側です。イスラエルはガザ地区の住民を攻撃しているのではなく、ハマスのテロリストと戦っているのです。ではなぜ民間人に犠牲が出るのか?実はイスラエル軍は人道的視点から、攻撃対象(テロリストの潜伏場所やミサイル発射施設、武器倉庫など)のそばに民間人がいる場合、先にチラシを撒いたり電話をして住人に避難勧告しています。ハマスはそれを知って市民を人の盾として利用し、学校の地価を武器倉庫にしたり、狙われている建物の屋上に民間人を立たせたり、市街地の中にテロリストの拠点を作ります。

パレスチナ自治区内でもハマスへの反発は高まっています。これはハマスに関して良い印象があるか悪い印象があるかと言うアンケートで、ご覧の通りイスラエル国内のアラブ系住民の68%までもがハマスを嫌っている状態。同胞にまで見捨てられはじめている過激派テロリストたち、今回はエジプトが停戦に向けた仲裁に入りましたが、イスラエルが即承諾したのに対し、ハマス側は続行を決めそれから数日が経過しました。昨日は遂に地上戦へともつれ込み、イスラエル軍側にも死者が出ています。

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私はこの国に住み、普段はこの国のあれがきらいだ、ここが気に食わないと文句ばかり言っていますが、私の家族はイスラエル人であり、私自身この国のコミュニティの一員です。現地のことを良く知った上での批判というなら甘んじて受けます。しかし、一方的な偏見に基づいた報道を鵜呑みにしてデモまで起きている?それは断じて許されないことであります。しかし、アンチ・イスラエル報道に反旗を翻すことは世界を敵に回すようなこと。納得いかない報道があっても、私たち在イスラエル日本人は沈黙を貫いてきました。

そんな中、先週末のことです。昨年3月の参議院議員通常選挙にも出馬した、若者に影響のある政治活動家がアンチ・イスラエルの画像をSNSでシェアしていたのを見て、我慢がならず現実のイスラエルを知ってくださいと投稿したところ、在イスラエル日本人が次々と住民目線の実感に基づいた書き込みをはじめ、それまで安易にシェアします、と言っていた彼の支持者たちも次第に耳を傾けてくれ、最後には戦争に正義はなく、どちらが間違っているということは安易に発言できないが、事実を正しく認識して物事を判断するべきだ、というような論調で長い議論を終えました。

今回の戦争で、とても良かったと思うことがあります。私もイスラエル人男性と結婚した身、できれば世界的反イスラエルの風潮に、日本語でイスラエルの置かれている状態を発信できる立場から発信したいと言う気持ちになったこと。また、この国に住む日本人の暖かさ、愛情の強さ、思慮深さを知れ、連帯感を感じることができたこと。数はいませんが少数精鋭、自他ともに認めるクセの強い人情派が揃っていて、改めてこの人たちと同じ立場の同胞としていられることに感謝します。

極限状態にあると、人間の思考はシンプルになります。旦那は少々ボンクラでも元気であればよろしい。子どもたちだって、ちょっと出来が悪くてもたっぷり愛情を浴びて、ハッピーでいるのが一番。人間関係、気楽に、あったら5分でみんな友だち。そんな風に大らかに考えるようになった。

そしてこの考えがそのまま具現化したのがイスラエリー。要領が悪くて、おっちょこちょい。細かいことは、まったく気にしない。でもいざという時の連携はすごい。家族と、国は自分たちが守るという気概に満ちている。それがイスラエル人です。日本の昭和30年代のような感覚でコミュニティが機能している。困った人や病人はみんな放っておかない。小さな国で、国民は皆素朴で平和を望んでいます。イスラエルは、戦争が好きな悪魔のような国ではありません。

昨夜も長い警報が2回鳴り、立て続けに数発が極めて我が家に近い場所で撃ち落とされました。今後の戦況はまだ分かりません。戦争では、自陣営の被害を減らすことと、相手により大きなダメージを負わせることが大正義です。力の差があれば、弱い方に犠牲が出ます。私たちはまだ、国防軍やアイアン・ドーム(地対空対ミサイル迎撃システム)に守ってもらっていますが、ガザのアラブ人たちはハマスに人の盾として利用され、十分な支援もなく恐ろしい思いをしていると思います。一日も早い事態の収束を心より願っています。


近所の恐ろしく愛想のいい猫、ノブレス。名前を呼ぶと、テケテケ駆け寄ってきてでーんと腹を見せまくります。




イスラエルに本格的な夏が来ました。空はいつだってこんなに綺麗です。この空にミサイルが飛び、爆撃音が響いている。早く平穏に暮らしたいです。





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